自分の気持ちがわからないのはなぜ?本音より先に起きていること

著者:玉井加菜子

この記事の要点

自分の気持ちがわからないのは、本音がないからとは限りません。相手の反応を先に考える流れと、自分の小さな違和感や希望を確かめる方法を整理します。

自分の気持ちがわからないのは、本音がないからとは限りません。相手の反応やその場の正解を先に考えることが習慣になると、自分が感じた小さな違和感や希望を、言葉にする前に後回しにしてしまう場合があります。この記事では、日常の具体的な場面から、自分の気持ちを確かめる方法を整理します。

食べたいものを聞かれても「何でもいい」と答える。

仕事を続けたいか聞かれても、条件ばかりが浮かぶ。

自分の希望より、相手が喜ぶ答えを先に考える。

気づけば、自分が何を感じ、何を望んでいるのかわからなくなっている。

本音より先に、相手の反応を読んでいる

「どうしたい?」と聞かれた瞬間に、

「この答えを言ったらどう思われるだろう」

「相手を困らせない答えは何だろう」

「正しい答えはどれだろう」

と考えていないでしょうか。

相手との関係を大切にするほど、自分の気持ちを確認する前に、周りに合う答えを探すことがあります。

その反応を長く続けていると、本音が消えたように感じる場合があります。

大きな答えより、小さな違和感を見る

すぐに「人生で何をしたいか」を答えようとすると、難しくなることがあります。

まずは、日常の小さな反応を見てみます。

少し嫌だと感じたこと なぜか気持ちが重くなった誘い 断った後にほっとしたこと 時間を忘れていたこと 誰にも評価されなくても、やってみたいこと

本音は、はっきりした言葉ではなく、違和感や安心感として現れることがあります。

わからない自分を急かさない

本音を言うことで関係が変わることを怖いと感じている場合、「わからない」は自分を守る方法にもなります。

だから、無理に答えを出すより、

本当は嫌だったことは何か 誰の期待を優先しているか 反対されないとしたら何を選ぶか 答えた後、身体が少し楽になるのはどちらか

と、少しずつ確かめることが大切です。

無意識に繰り返している考え方や判断のパターンを、このサイトでは「無意識エンジン」と呼んでいます。

自分の気持ちがわからないことを欠点と決めず、どんな場面で自分を後回しにしているのかを整理する。それが、本音と出会い直す入口になります。

具体的な一場面から見てみる

たとえば、休日に何をしたいか聞かれて「何でもいい」と答える場面があります。

出来事: 行きたい場所を聞かれる

最初の反応: 相手が楽しめる場所を考える

怖さ: 自分の希望を言って、相手を困らせたくない

判断: 相手に合わせるのが一番安全

行動: 「何でもいい」と答える

結果: 希望を言う機会がなくなり、自分でも何をしたいのかわからなくなる

この場合、気持ちがないのではなく、気持ちを確認するより先に相手を考える流れが起きています。

元養護教諭として、対話で大切にしていること

養護教諭として14年間、約2,500名の子どもたちと関わる中で、言葉になった答えだけでなく、話が止まる瞬間や表情の小さな変化にも触れてきました。

私自身も、その場に合わせて振る舞い、「いい人」に見える答えを選んできた経験があります。だから、すぐに本音を言うよう求めるのではなく、答えが出る前に何を考え、何を怖いと感じたのかを急がず確かめることを大切にしています。

この記事の持ち帰り

最近「何でもいい」「どちらでもいい」と答えた場面を一つ選び、次の3つを振り返ってみてください。

1. 自分の希望より先に、誰の反応を考えたか 2. 小さくても、嫌だ・ほっとしたと感じたことはあったか 3. 相手が必ず受け止めてくれるなら、何と答えたかったか

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