「自分を変えたい」が苦しくなる理由

著者:玉井加菜子

この記事の要点

自分を変えたいと思うほど苦しくなるのは、変化の出発点が自己否定になっているからかもしれません。自分と争わずに変わる視点を紹介します。

「このままではいけない」「もっと成長しなければ」と思うほど、変わることが苦しくなる。それは、変化の出発点が“今の自分への否定”になっているからかもしれません。

「変わりたい」の中に、二つの気持ちがある

変わりたいという思いには、未来への希望があります。

一方で、その言葉の奥に、

「今の私は足りない」

「この自分では愛されない」

「早く直さなければ価値がない」

という気持ちが含まれていることもあります。

その状態では、目標に近づくための行動が、毎回「今の自分はダメだ」という確認になってしまいます。前へ進もうとしているのに、心は少しずつ疲れていきます。

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理想の自分が、今の自分を責める基準になる

理想を持つことは悪いことではありません。ただ、理想が「これを達成できなければ認められない」という条件になると、変化の途中にいる自分を許せなくなります。

できた日には安心し、できない日には自分を嫌いになる。休むことにも罪悪感が出る。成果が出ても、次の不足が目につく。

すると、変わることは可能性を広げる営みではなく、自分を監視する作業になっていきます。

変われない部分にも、守ろうとしているものがある

人に合わせる自分を変えたい。完璧主義をやめたい。もっと挑戦したい。

そう願っていても、今までの反応には、その人なりの理由がある場合があります。

人に合わせることで関係を守ってきた。完璧に準備することで批判を避けてきた。慎重でいることで大きな失敗から自分を守ってきた。

その役割を無視して「こんな自分はいらない」と切り捨てようとすると、内側の抵抗が強くなることがあります。

変える前に、理解する

苦しさを減らすために、問いを少し変えてみます。

「どうすれば早く変われるか」ではなく、

私は今の自分の何を認めたくないのか 変わらなければ、誰にどう思われる気がするのか 今までの反応は、何を守ってきたのか 変化によって失う気がしているものは何か 自分を否定せずに選ぶなら、次の一歩は何か

と整理してみます。

理解することは、現状のままで諦めることではありません。自分と争わずに、選択を増やすための準備です。

変化は「別人になること」ではない

無意識に繰り返している受け取り方や判断のパターンを、このサイトでは「無意識エンジン」と呼んでいます。

パターンに気づく目的は、それを悪者にして消すことではありません。いつもの反応が起きたときに、「今回は別の選択もできる」と気づける余地をつくることです。

変化は、今の自分を捨てて理想の誰かになることではなく、自分の反応を理解しながら、選べる行動を少しずつ増やしていくことなのかもしれません。

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